2013年6月18日火曜日

語られない歴史 Ⅰ

先日さいたま市中央区(旧与野市)の本町通りに行ってきました。
歴史ある旧街道とのことでしたが、地元の方の話を伺わないことには、なかなか情報をキャッチしずらく、また歴史が目に見えないものです。

でも、確かな歴史は存在します。
現地で人の解説が加わると、目の前のまちは急に別の次元で見えてくるので不思議なものです。
かすかに残る歴史の残り香を探し求め、俄然興味や親しみといった感覚がふつふつと湧き出てくるのです。

地元で代々続く家の、地域愛の深い方の語りだった、ということも大きいのかもしれません。 
これまでも、いくつかの場所で、同じような貴重な経験をさせていただきました。




この通りには、昔は写真ような前庭が各戸にあり、そこで市が開かれていたそうです。
その賑わいを想像すると、楽しそうです!
鎌倉時代には鎌倉街道の要所、市場町として栄え、江戸時代には宿場町としての役割も担っていたとか。

川越の蔵造りのモデルとされる蔵造りの建物がシンボルでしたが、現存している蔵も前庭も少なくなり、観光資源として活用しずらいとのこと。
維持改修は所有者の負担となるので、なかなか保存は厳しいようです。
それでも中には柱をすべて解体して本格的に補修した家もあり、通り面に対して奥に長い敷地に離れが続き、中庭もきれいに整備して立派な風格を保っているお宅もありました。

ここでは蔵のあるまちの歴史を生かす、お祭りや「蔵のまちコンサート」を開催しているそうです。
何も観光地化する必要はないと思います。祭りやイベントでまちの歴史や賑わいの姿を演出しながら、人々の記憶に残していくのもいいと思います。
地域で語り継いで歴史を伝承し、愛着を感じさせる仕掛けをぜひつくっていってほしいと願います。
そんな地域であれば、外の人にも魅力的に感じられるでしょう。

歴史は語らないと伝わらない。そして、時折外にも情報発信してほしいです。
すっかり気になるまちとなりましたので(笑)。

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