2013年6月27日木曜日

KITTEにある「インターメディアテク」に行ってきました

KITTEは東京駅前に今年3月にオープンした、日本郵便がはじめてつくった商業施設です。 
旧東京中央郵便局舎の歴史的建築を残す残さないで以前話題となったところ。三角柱のかたちをしたレトロモダンな建築外観は残され、内部は写真のようなおしゃれ吹き抜け空間に生まれ変わっていました。 

全国のご当地銘品をを揃えたお店が多いのが特徴で、 今はやはりタイムリーな富士山グッズが多く目に止まりました。ところどころ、行列ができている飲食店もあり...。


この施設は「内装環境設計は隈研吾が手掛け、各フロアごとに木材や瓦、織物、和紙 など日本古来の素材を使用し、コンセプトである「Feel JAPAN」が表現されている」のだそうです。
残念ながら今回その細部まで堪能する時間がありませんでしたので、改めて遊びに行ってみたいと思います。 


 
さて、私は以前からこの中にできた「インターメディアテク」に行きたいと思っていました。
ここの正式名称は、「日本郵便+東京大学総合研究博物館 JPタワー学術文化総合ミュージアム」。
どんな東大コレクションがあるのか、ワクワクドキドキ...。

 

実は名称から、インターラクティブなメディアアートが中心なものと勝手にイメージしていました。
ところが、2層分のスペースに展開されていたのは、想像とはまったく対照的な、静的陳列のコレクション展示でした。
実際は「各種の表現メディアを架橋することで新しい文化の創造につなげる「間メディア実験館」」に名称由来があるそうです。

歴史性のある空間とレトロな陳列棚の配列はとてもマッチして、大人な展示空間が広がっていました。古くオーソドックスなものが、新しい?みたいな、懐かしさと新鮮さが同居する感覚。
展示物=学術的文化財の収集も未来へ生かす研究リソースであり「ReDESIGN+」して活用するもの、という思考ベースが空間づくりにも反映されているからでしょうか。

ミイラや骨格標本、剥製、旧来の科学機器...展示は多岐にわたって充実していました。
印象的だったのは、ある天文学的な画像を大型の美術作品のように設えて、美術館的空間としたコーナー。面白い試みです。
それと個人的には幾何学形態の陳列展示。単純にいろいろあって比較して見るのも楽しいし、なかなかあるようでない。オブジェクトとしても面白いと私は思うのですが、これは個人的嗜好ですね...。

ミュージアムの入場料はなんとフリー。 
東大は研究成果を生かした商品開発を行っています。そんなグッズがそろったショップもありました。

インターメディアテク

このサイトの中に、旧建築物の歴史とこの施設の創設経緯が掲載されています。単なるリノベや転用ではなく、これは、歴史遺産の「転生」と「継承」であると記されています。
確かにそんなメッセージを内在させた丁寧さが感じられました。

資料を読み込んで、また違う視点で見に行ってみようと思います。

2013年6月22日土曜日

デザインのチカラ

昔から、ユニークなリサイクル、リユースグッズを探すのが好きでした。
そして、いつか自分もそんなプロダクトをつくりたい、などと夢見ています。

私の目標ポイントは、以下の4つ。
 1 素材は社会で必要とされる製品から発生する廃材
 2 収集に無理がなく一定量確保可能
 3 できるだけ元の特性を生かすこと
 4 使いたくなる、実用的なデザイングッズに再生

実は4のハードルが高い。
アイデアやコンセプトはよくても、デザインセンスが欠けていたらプロダクトとしては魅力が出ないんですよね〜
そして、残念ながら自分にはそのセンスがない...(涙)
だから、時折これだ!と思うものに出会うと、感心しきり。

そのひとつがここちらです。



 

casa project。
casa=傘! 不用となった傘の生地を使って、バックや小物、タープなどのプロダクトに生き返らせたり、空間づくり、ワークショップなどを開催しているプロジェクトです。
カラフルで美しい作品は見るだけでも楽しいです。デザインのチカラって偉大です。

私がこのプロジェクトを見つけたときにはまだあまり知られていませんでしたが、今では活動が一気に広がっている様子。
掲載した写真は、最近あるデパートで、梅雨を楽しもうディスプレイの一角で偶然見つけたものでした。

ぜひwebサイトで、casaから生まれるかわいらしい世界をご覧ください。

casa project 


ちょっと似たタイプの発想で、古着物をスカートにリメイクする作家さんがいます。
そのパッチワークスカートは、色や柄合わせ、配列の妙が魅力的で他には真似のできない価値を感じます。
だから、納得の購買対象になるんです(いつも即日売り切れますが、1枚ゲットしました!)。
新作を見るのが楽しみで、よくサイトを覗かせてもらっています。

着物リメイクの作家さんは他にもたくさんいますが、センスの違いでまったく異なるものとなってしまうんですよね。



そして、もうひとつご紹介しましょう。
これはずいぶん昔に見つけた、封筒です。

情報刷新のため、定期的に印刷所で大量廃棄される地図の印刷紙を、レターセットにリメイクした海外のプロダクトです。
見た目のインパクトだけでなく、商品づくりのトータルデザインが見事って感じ。
 
今でこそ産業廃材が着目されるようになりましたが、当時はそのような発想のものはなく、これを見つけた時は感動しました。思わずいろんな人に紹介したものです。




私の話が広まったわけではないでしょうが、一昨年横浜大桟橋でまったく同じコンセプトの商品を見つけて驚きました。

うれしいような、かなしいような....
横浜の新しいお土産シリーズ・メイドインヨコハマの、廃版の海図を活用したレターセットです。

 海図レターセット

これは大手のデザイン会社とディスプレイ会社が共同で開発しているものらしいです。 なるほど。



地域振興で特産品づくりが盛んですが、商品のみならずパッケージや宣伝のデザインで注目を浴びるケースも少なくありません。デザインは、商品価値を構成する大事な要素です。

特にリサイクル、リメイクグッズであれば、よりデザイン性を意識した方が良い気がします。なぜなら、エコ、再活用ということの意義に終始するものが多いように思うからです。
「商品」であるからには、やはりユーザーの購買意欲、愛着をかき立てるクオリティは不可欠です。 

特に行政がらみのグッズってそうなりがち...。
もらったけどいらない、なんてなったらまたゴミとなるだけです。
行政の事業費にデザイン料を計上するのは難しいですし、その発想がない。ぜひデザインのチカラを再確認してほしいです。
だって、デザインを重視した方が、結果良い循環が得られてエコになる!

ソーシャルプロダクトと言われるような商品は、クリエイティブ志向のある層のかかわりが多いせいか、デザイン性が高いようです。意義と仕組みとデザインと価格のバランス配分を工夫しています。デザイン=高価というわけでもありません。
センスある商品が多く出現することで、○○ジャパンだとか、地域商品に力を入れる行政のデザイン意識が柔軟になるよう期待したいです。 

2013年6月18日火曜日

語られない歴史 Ⅱ

こちらはがらりと変わって、横浜の根岸にある、横浜競馬場跡の建物。 
戦前の建築物としては大型で、丘の上に高くそびえる姿は圧巻です。

米軍施設に隣接しているためかどうかわかりませんが、ずっと何も修復活動は行っていないようで、ただただ朽ちていくのを待たれているかのように、放置されている状態です。
レトロ感溢れる建築の大きな窓にはトタンが貼られ、手の加え方に愛情も感じられない ...。



この建物は行政が所有していると思いますが、今は役目も復権も支援もない、孤立無縁の存在に映ります。
前述の本町通りが面だとすれば、こちらは孤高の一点。
まちの形成もなく、人の影もない廃虚。
歴史性は固辞していますが、なんとも寂しく寡黙な立ち姿でした。

語られない歴史 Ⅰ

先日さいたま市中央区(旧与野市)の本町通りに行ってきました。
歴史ある旧街道とのことでしたが、地元の方の話を伺わないことには、なかなか情報をキャッチしずらく、また歴史が目に見えないものです。

でも、確かな歴史は存在します。
現地で人の解説が加わると、目の前のまちは急に別の次元で見えてくるので不思議なものです。
かすかに残る歴史の残り香を探し求め、俄然興味や親しみといった感覚がふつふつと湧き出てくるのです。

地元で代々続く家の、地域愛の深い方の語りだった、ということも大きいのかもしれません。 
これまでも、いくつかの場所で、同じような貴重な経験をさせていただきました。




この通りには、昔は写真ような前庭が各戸にあり、そこで市が開かれていたそうです。
その賑わいを想像すると、楽しそうです!
鎌倉時代には鎌倉街道の要所、市場町として栄え、江戸時代には宿場町としての役割も担っていたとか。

川越の蔵造りのモデルとされる蔵造りの建物がシンボルでしたが、現存している蔵も前庭も少なくなり、観光資源として活用しずらいとのこと。
維持改修は所有者の負担となるので、なかなか保存は厳しいようです。
それでも中には柱をすべて解体して本格的に補修した家もあり、通り面に対して奥に長い敷地に離れが続き、中庭もきれいに整備して立派な風格を保っているお宅もありました。

ここでは蔵のあるまちの歴史を生かす、お祭りや「蔵のまちコンサート」を開催しているそうです。
何も観光地化する必要はないと思います。祭りやイベントでまちの歴史や賑わいの姿を演出しながら、人々の記憶に残していくのもいいと思います。
地域で語り継いで歴史を伝承し、愛着を感じさせる仕掛けをぜひつくっていってほしいと願います。
そんな地域であれば、外の人にも魅力的に感じられるでしょう。

歴史は語らないと伝わらない。そして、時折外にも情報発信してほしいです。
すっかり気になるまちとなりましたので(笑)。

2013年6月13日木曜日

不動産カオス

以前車で移動中、幹線道路沿いで撮った写真です。
土地の区画もいびつで、所狭しといろんな形態の建物、土地が混在しています。
一軒家、オフィス、マンション、売り地...
すごいっ!ある意味日本の象徴?!と感じて、思わず車中から写真を撮ってしまいました。

ヨーロッパの都市開発では、区画と対象を最初に決めるので、商業地と住居が分かれてたりまち全体が整っている印象です。
でも日本では不動産は投機の対象となっているので、このような状況が起こってしまうのですが、
一枚の写真に収まるこのてんこ盛り状態って...う〜ん、カオス!



2013年6月11日火曜日

feedする愉しみ

密かに始めてみたブログですが、周囲に紹介してくださる方がいたお陰で、訪ねてきてくださった方もいたようです。
ありがとうございます! 恐縮です。
ゆるく続けていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。



意外にも先日の「さつまいも」が気なったという声が多かったようです。
ですので、その後の写真を...こんもりと大きくなっています。

今日葉をてんぷらにして食べてみたら、ほのかにお芋の味がして美味しかったです♪ 

このさつまいも、 水耕のままなのですが、毎日元気に水を吸い上げ、日々の水やりがかかせません。
ガラスの器にいれているせいか、きれいに無くなっている状態が見えて、不思議とうれしい感情が湧いてくるんです。

子どもでもペットでも、用意してあげたごはんを食べてる姿は見て愉しいし、全部平らげてくれるとこれまたやりがいを感じて、次は何をつくろうかとテンションが上がります。

きっとそれは、人間の、いや動物の本能なのでしょうね。
そうでなければ、過酷な自然環境で親は必死で子どもの食べ物を探したり与えないし、人間も苦労の多い子育てはできないでしょう。
もちろん、いろんなふれあい方がありますが、食べ物を与えて相手が食べてくれる、というのが、実は一番モチベーションを高めてくれる基本的なコミュニケーションのような気がします。
 



今他にも手のかかる、いやかわいい存在がいるんです。それがこのかぼちゃ。
こちらは、昨年の肥料用生ものの中に混じっていた種が、芽を出したものです。
こちらも成長著しく、水を求める仕草がたまらない。さぼると一気にしおれるので、ホイホイと世話をやいてしまうのです。
といっても、水やり以外は放任主義の我が家ですが...

この子たちは、成長する姿だけでなく、その後食せることも愉しみでもあったりして...これまた、本能...。
みんな、元気に育ってね!

2013年6月10日月曜日

週末の小さな挑戦

おせんべいの大きな缶を使って、家でスモークづくりに挑戦してみました。
手軽に燻され感が出て、予想以上に薫製らしくできました!
途中ジュージュー♪と油の落ちる音がして、食欲をそそられました。写真ではわかりませんが、下側の鶏皮はこんがり焼き目がついて美味しかったです〜
これから下味や素材をもっと研究して、レパートリーを増やしていきたいと思います。 
楽しみがひとつ増えました。


スモーク前
スモーク後



2013年6月3日月曜日

「てづくり市」に行ってきました

先日、世田谷山観音寺で開催された市に出かけてきました。
web上の手仕事のギャラリー&マーケットサイト「iichi」で、開催予告写真を見て、早くから予定表に書き込んで楽しみにしていました。
市とかマーケットという響きにすぐ反応してしまいます....、しかも寺院での雰囲気に期待感大。



訪れた時間が遅かったせいか、お客さんはさほど多くなく閉店準備している人もいましたが、雰囲気はやはり良かったです。
公園などで伐採された樹木を使って木工品を作っている作家さん、無店舗経営のチーズケーキ屋さんなど、個性的な商品が並んでいました。
よくwebサイトは拝見するのですが、実物を眺めながら買うのはまた楽しいですね。


境内には旧小田原藩代官屋敷もあり、その内部はリノベされイベントなどに活用できる仕様となっていました。
当日もショップとカフェスペースに。いい感じでした。
庭にバーベキューコンロも発見。 

昔は寺院が地域の求心&求民の場でしたが、このようにユニークなイベントを開催する場を地域に開放してくれたら、公的役割の復権というか、単純に楽しいですね。
ここでは朝市などは定期的に開催されているようです。




世田谷山観音寺、通称世田谷観音は昭和26年に建立された、比較的新しい緑豊かな寺院です。
でも国指定重要文化財の仏像や移築された建物などで構成されていて、趣きのある場所でした。特攻隊の英霊を祀る特攻観音や隠れキリシタンが信仰したマリア観音像、元ボストン美術館所蔵品などもあり、思想が強いようで不思議な包容力というか、オープン?いやフラット?なものを感じさせるところでした。


今回場と企画のセンスがマッチしているのがよかったですね。
iichiさんは、鎌倉の古民家をオフィスにしていて、鎌倉でシリコンバレーならぬ「カマコンバレー」形成を目指している若いエネルギーを感じさせる会社。
てづくり市は今後も各所で開催されるようですので、よかったらみなさんもお出かけになってみてください。

iichi
http://www.iichi.com/

青空個展てづくり市
http://www.aozorakoten.com/